癌治療に使われる漢方薬の紹介と、漢方でがん治療を行う主な病院について

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「がん」はかつての不治の恐ろしい病から、今や日本人の4人に1人から2人に1人ががんになると言われ、非常に身近な誰でもかかる可能性のある病となってきました。つまりは私たちのほとんどが、いつかなる可能性があるという意識のもとに生活する必要がある病気と言えます。

これだけ多くの人ががんになる時代となった背景には生活習慣の変化、環境ホルモン等さまざまな要因があげられていますが、一方で、がんが様々な研究、検査方法により早期に発見できるようになり、結果、患者の全体数が増えたこともその要因と言われています。

今回は癌治療に使われる漢方薬の紹介と、漢方でがん治療を行う主な病院について解説をしていきます。

がんとは?なぜガンは発生するのか

そもそもがんとはどういった病なのでしょうか。人間の体は一つの受精卵から始まり、分裂し増えた約60兆個の細胞からできていると言われています。普通の細胞は状況により増えたり、増えることをやめたりします。しかし異常な細胞であるがん細胞は、増え続けまわりの正常な組織に侵入し正常な細胞まで壊していくそうです。

がん細胞は正常な細胞が先に述べた喫煙や過度の飲酒などの生活習慣、ストレス、環境汚染、ウィルス感染などさまざまな要因により、発見されるまでの1cmほどの大きさになるまで7年から20年とも言われる長い時間をかけ細胞にいくつかの傷がつき、がん細胞になると言われています。発がん性の○○といわれているものはこうしたものをいうのですね。そしてがんはすべての臓器、組織にできると言われています。

体の内部の細胞が変化し自ら壊し続けるがん。治せる病気になってきたとはいえ、その性質、そして著名人のがん闘病の報道をきくと、やはりその闘いは容易なものではないと多くの人が感じているところではないでしょうか。

「がん細胞は酸素不足により発生し、糖分により爆発的に増える」という癌の発生の原因を突き止めノーベル賞を受賞したオットー・ワールブルグ博士については以下の記事でまとめています。必見です。

癌を抑制して免疫力を上げる効果が期待できる3つの食べ物と癌の原因【それぞれ詳細を解説します】

がん治療とは

日本におけるがんの治療は、基本的に「手術療法」「化学(薬物)療法」「放射線療法」の三大療法といわれています。

がんを切除したり死滅させたりする点でこれらの治療は非常に有効ですが、副作用が患者の体に大きな負担になるのも事実で、有名なところで化学療法の「抗がん剤」は脱毛、吐き気、倦怠感、しびれや、肝臓や腎臓などへの障害などがん細胞以外の正常な細胞にも悪影響を与えることもあります。

そして切除できない部分のがんまたは薬に反応しないがんには有効でない場合もあり、適切な治療が見つかるまで体に負担をかけ続けながら治療をするという場合もあります。

がん治療にいま求められていること

「がん」と関わってきたわたくしの経験上、この治療に対する思いは、支える家族の立場とすれば、ともかく闘病のつらさを少しでも軽減させてあげたい。少しでもよい治療を受けてほしい。当事者としては、痛みを軽減したい、なるべく家族に迷惑をかけず普段の生活を崩さずに治療したい。そして双方共にできれば完治。もしくは上手にがんと付き合いながら生きていきたいという強い願いがあります。そして事前に予防できることがあるなら少しでもしておきたい。これはがんを経験しない人も含めすべての人の願いになっています。

早期発見により治療の選択肢が増えてきたこと、前向きに治療することに変化してきたこともあり、いま治療や予防は体に優しいもの、そして効果のあるものがよりを求められてきています。そのなかで古来からあり、自然由来の漢方薬は、今改めて見直され注目されています。

がん治療における漢方の役割

西洋医学は400年ほどの歴史をもち、戦争、感染症の流行とともにその医療は進歩してきました。それで外傷・外科手術など、外からの攻撃に対する治療には強いですが人間の内側から起こってくるものには弱いともいわれています。

一方、2000年ほど前の中国で発祥した東洋医学、それが日本で発展したといわれる漢方は人間の内部を整え治癒することに重きがおかれています。

それで最近のがん治療に求められている、がんを治すだけでなく、

  • がん治療(抗がん剤など)にともなう苦痛をとる
  • 治療で低下する患者さんの「QOL」として知られる生活の質を維持・向上する
  • 攻撃的治療が終わった後、またはがんにかかる前に免疫力を高め予防する体を作る

以上の今求められているがん治療に漢方が大きな役割を占めてくることが分かります。

がんに効くといわれる漢方薬

漢方薬は生薬のいくつかの種類を混ぜて、薬効を高める方法を求めてきました。これによって複雑な病態や症状に対処でき、また効果をより高め、かつ副作用をより少なくすることができるのです。

漢方薬を構成している生薬(しょうやく)とは、天然由来の動植物や鉱物をあまり手を加えずに、薬用として使用しているものです。現在、生薬は、ほとんどが植物性のものです。生薬には、臨床経験に基づいた効果(薬能)がまとめられています。

例えば、桂皮(けいひ)は血液循環を良くして体を温め、寒気を取る効能があります。高麗人参には、消化吸収機能を高めて気力や体力を増す効能が、昔から知られていました。これらの薬能は、現代における科学的研究によって活性成分や薬理作用も解明されつつあります。

生薬は天然の薬です。抗がん力を高める成分の宝庫であり、これらの成分を利用することによって、体力や免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑えることができます。

がんに効くと言われている生薬

がんに有効な効果をもつ生薬はいくつもあります。一例としていくつかを紹介します。

①甘草【カンゾウの根】

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解熱、解毒、鎮痙、ステロイド様作用 漢方薬の70%以上に使われています。

・甘草の主成分はトリテルペノイド配糖体のグリチルリチンで、肝臓や皮膚がん発生のリスクを下げると言われ、生体防御能を高め、抗腫瘍免疫を増強、抗炎症作用や細胞保護作用や抗変異原性作用や発がん抑制作用があるといわれています。

②大棗【ナツメの果実】

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強壮、利尿、抗アレルギー、抗ストレス

・トリテルペン類のベツリン酸やオレアノール酸を含み、発ガン抑制効果や抗腫瘍効果を持っています。大棗にはナチュラルキラー細胞の活性を高める作用があると言われています。

③人参【オタネニンジンの根】

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補血、強壮、中枢興奮、血糖効果

・薬用人参や朝鮮人参や高麗人参とも呼ばれています。悪性腫瘍によって引き起こされる貧血、気力減退、食欲不振、癌性疼痛などに有効です。治療による骨髄障害や肝障害や免疫機能低下を抑制し、回復を促進します。手術などによる身体衰弱や栄養状態の改善にも有効です。癌細胞の増殖や転移抑制なども報告されています。

例えば、高麗人参は熱を加えると抗腫瘍効果が上がることが報告されています。その理由は人参に加熱処理を加えると成分に変化が起こるからで、高い温度で処理するとより抗酸化作用の高いサポニンが生成され、発がん予防効果も高まるという実験結果があるからだそうです。また高麗人参を蒸したり乾燥させてつくる紅参はアルギニンを大量に含み、アルギニンは血液循環を良好にし、免疫力を増強する作用をもっているそうです。

④黄耆【キバナオウギおよびナイモウオウギの根】

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インターフェロン誘起作用、リンパ球の活性化、免疫機能増強作用

・病気全般に対する抵抗力を高める効果があります。皮膚の血液循環や新陳代謝を良くして皮膚の傷の修復を促進する効果や、肝細胞の再生を促進する作用なども報告されています。

⑤丹参【シソ科のタンジンの根】

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抗炎症作用、抗酸化作用、血液循環改善作用、線維化抑制効果

・慢性肝炎や心筋梗塞や腎臓疾患の治療に使用されています。近年は、丹参の抗がん作用が注目されており、丹参に含まれる抗がん成分や作用機序の報告が増えています。丹参は、多くのがん細胞に対して、増殖抑制、アポトーシス誘導、血管新生阻害、浸潤や転移の抑制、抗がん剤に対する耐性獲得の抑制作用を示すことが報告されています。

⑥カバノアナタケ【チャーガ】

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免疫増強作用

・白樺に寄生するキノコで、和名はカバノアナタケです。霊芝の臨床効果として、滋補強壮・免疫力増強・抗がん作用・肝臓保護作用・白血球増加作用・鎮咳・去痰などの広範な薬理作用が報告されています。

免疫力を高めるベータグルカンなどの多糖類の他、白樺の樹液に含まれるミネラルやサポニンなどを濃縮して含み、白樺樹皮に含まれる抗がん成分として知られているベツリン酸を人体が吸収しやすい形で濃縮して含んでいます。

がん治療における漢方の用い方

先に述べたいくつかの生薬を症状に合わせて配合した漢方薬を選ぶことができます。

がん治療に特化した病院である癌研有明や神奈川がんセンターなどには漢方サポート科があり、その他大学病院や総合病院にも漢方を取り入れて診療しているところがあります。そこで漢方を処方してもらうこともできます。また漢方を処方してくれる漢方専門薬局にいる薬剤師に相談することもできます。

漢方はどのようにして摂取するものなのでしょうかいくつかを紹介します。

煎じ薬:

煎じ薬とは生薬に含まれる様々な有効成分を熱湯で抽出した内服用の水剤(のみ薬)のことです。生薬に含まれる成分をお湯で煮出すことを「煎じる」といい、刻んだ生薬(キザミ生薬)を煎じて、生薬の成分を煮出したスープ状の液を「煎じ液」といいます。煎じる時間が1時間弱と長くかかり手間がかかりますが効果的とも言われています。やかんなどで沸かすお茶のようなイメージです。

エキス製剤:

煎じ薬を粉薬にし、カプセルに入れたり錠剤にしたものを多くの製薬会社が生産しています。これらを「漢方エキス製剤」といっています。薬を煎じる手間ヒマがかからず携帯に便利という長所があります。

保険が使える医療用漢方製剤やその他に、薬局で手軽に手に入る一般用の漢方エキス製剤も多くの種類が販売されています。有名なところで医療用に保険で使用されるツムラの漢方エキス製剤があります。

これらの漢方薬は容量、時間を守って服用する必要があります。お茶のように煎じて飲むわけですから、お茶のようにもっと気軽に飲めるものもあるのでしょうか。

調べてみるとあるようです。お茶自体古来から万病に効く薬のような効果もあるとして飲まれてきました。緑茶にも抗がん作用があると言われているのをよく聞きます。がんに効くと言われている生薬もお茶として販売されているものもあります。

自分でできる漢方の取り入れ方

簡単にお茶として飲める生薬の特徴に、

1 毒性 (副作用)がない。

2 作用が特定の臓器に限定されない。

3 正常化作用を持っている。

をあげることができます。これらの特性をもつ生薬のカフェインフリーのお茶を毎日の食生活に取り入れ、がん予防や治癒の効果を期待することができます。

その中でも効果が注目されているチャーガはお茶として飲むことができます。特にチャーガ、別名「カバノアナタケ」といわれるシベリア霊芝は、ベツリン酸・サポニン・ミネラル・有機酸やアミノ酸など滋養強壮と抗ガンに対する有効成分がぎっしりとつまったキノコと言われています。

チャーガに含まれるフラボノイドには、活性酸素、高血圧安定、抗アレルギー作用があります。β-グルカンなどの多糖類が他のキノコに比べて豊富に含まれており、抗酸化酵素(S.O.D)の含有率がアガリクスの24倍、ケールの60倍、ほうれん草の250倍もあるということで脚光を浴びています。利尿作用以外に副作用がほとんどないと言われています。

カバノアナタケのお茶・濃縮液の主な販売会社まとめ:

ネット通販で購入できるカバノアナタケ/チャーガ茶まとめ

煎じ薬となるお茶と、濃縮したエキス製剤のそれぞれに分けて紹介をしています。

漢方薬を使ってはいけないとき

いいことだらけの漢方のようですが、漢方を使ってはいけないようなときはあるのでしょうか?

担当医の方いわく、飲水や食事が禁止されているときは、もちろん漢方薬を服用することはできないとありました。それ以外は、間違った使い方をしなければ、漢方薬を使ってはいけない状態というものはないそうです。

間違った使い方とは体力が低下しているのに、食欲を減退させたり下痢を引き起こすような漢方薬を用いたり、熱や炎症が強いときに体を温めたり炎症を引き起こすような薬を用いることです。漢方薬は、体に合ったものを正しく用いれば、がん治療にも用いることができます。

個人的な感想として、もともとは健康体だったわたしは、薬は強いほうが効き目があると考え、漢方薬だと少し物足りないというか、ちょっと風邪の引き初めに飲む、または滋養強壮のようなイメージしかありませんでした。

ですが、「友人から婦人科系の病や不眠、疲労などさまざまな体の不調に悩んでいたが、症状に合わせてそれにあった漢方薬を処方してもらい、その不調から解放された」という話を聞いて、自然由来なのでより体に負担なく、しっかりとした効き目がある漢方を見直すようになりました。

そしてちょうど抗がん剤の副作用の強さに悩まされていたところでしたので、がん治療にも漢方を使用できればいいのにと考えました。

実際、わたし自身のそして家族の主治医にも漢方を使用してもよいか聞いたこともありますが、臨床試験のデータのでているものだけを薦めると言われたり、進行がんには、個人の判断では使用してはいけないものもあると言われ、積極的に処方されることはありませんでした。

しかしその後、調べてみるとがん治療で権威ある病院では、東洋医学、漢方を積極的に取り入れ、一つの科としているとこもあり、多面的な見方をする必要を感じました。

わたしが担当医に薦められないといわれたのは、知識なく用いないようにということだったのかもしれません。

漢方でがん治療を行う病院の一例

関東

・神奈川県立がんセンター 漢方サポートセンター(神奈川県横浜市旭区)

http://kcch.kanagawa-pho.jp/outpatient/kanpou.html

・千葉県がんセンター 漢方外来(千葉県千葉市中央区)

https://www.pref.chiba.lg.jp/gan/shinryoka/kanpo/index.html

・がん研有明病院 漢方サポート科(東京都江東区有明)

http://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/general/herbal_medicine/

・慶應義塾大学医学部漢方医学センター診療部(東京都新宿区信濃町)

http://www.keio-kampo.jp/index.html

・東京ミッドタウン先端医療研究所(東京都港区赤坂)

http://www.midtown-amc.jp/care/general/01.html

・銀座東京クリニック(東京都中央区銀座)

http://www.f-gtc.or.jp/clinic_02.html

・目白醫院(東京都豊島区目白)

http://mejiro-iin.jp/

・横山醫院(東京都中野区東中野)

http://www.yokouchi.or.jp/

・つるかめクリニック(東京都江戸川区松島)

http://www.gankowakunai.com/

関西

・李漢方内科・外科クリニック(兵庫県西宮市)

http://li-kanpo.com/cancer/

・中野内科医院(大阪府大阪市北区)

http://www.manmando.com/original13.html

まとめ

がんの治療は辛く、治療薬自体が体を弱らせます。でも治療をしないと目に見えないがん細胞がどんどん増えていくのが恐ろしいというどちらにしろ辛いものでしたが、漢方を取り入れることにより、からだにやさしいがん治療を可能にすることができるという病院もあることが分かりました。

その効果は証明されているもので、怪しいものではなく、正しい知識のもと西洋医学と併用して積極的に漢方薬を用いていくことができます。免疫力を高めたり、治療のストレスを弱めたり、がんと闘う体を内部から作っていくとができます。

自然由来の植物にこれだけがん治療にも有効な成分があることを知り驚きました。医療の現場で多く漢方が用いられていることも納得です。

しっかりと深呼吸をして酸素をとることでがん細胞の発生を抑え、糖分を遮断した断糖食でがんの増加を抑える。その上で、免疫力をあげて治癒力をあげるために漢方薬(特にチャーガなど)と温熱療法、抗がん剤を続けていくことがひとつの答えになるのではないでしょうか。

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