北海道の猟師が教えるチャーガ料理とカバノアナタケがお茶になるまで

チャーガキノコはどこにあるの?

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海外セレブの間で有名なスーパフード、チャーガキノコ(和名:カバノアナタケ)の原産国はロシア、モンゴル、中国、北欧諸国、そして日本です。

日本国内では、北海道でカバノアナタケが産出されます。

いずれも寒い地域に自生しており、寒さに強くマイナス20℃でも育成可能なキノコです。

チャーガは白樺の木に寄生し、樹液を栄養分として吸うことによって、10年から15年以上かけてゆっくり成長します。

黒くゴツゴツしたコブの様な見た目で、大きいものでは直径30㎝以上にもなり「森の黒いダイヤモンド」とも呼ばれています。

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今回は、北海道で育成するチャーガキノコについてご紹介しましょう。

北海道の山奥、冬が終わっても雪が残る標高の高い山中に、チャーガは自生しています。

車では入れない山道にスノーモービルで入り、さらに狩猟用のゾンメルスキーを履いてチャーガキノコを探し歩きます。

ゾンメルスキーとは、スキー板の裏にアザラシなどの毛皮を貼って、雪に埋まらなくするための特殊なスキー板です。

白樺の木の高い位置にチャーガキノコは生えているため、梯子を白樺に掛けて昇り、ノコギリや鉈などを使って採取します。

場合によっては低い位置にチャーガが生えることもありますが、より高い位置の方が、大きく高品質なチャーガキノコが採取できます。

高品質なチャーガキノコは黒く、重みがあります。

北国の猟師たちは、冬場に行われる鹿や鴨撃ちなどの猟や、春先の山菜採りの合間に、この「黒いダイヤモンド」チャーガを採るため、雪深い山へと向かいます。

チャーガキノコを煮出すまで

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原木から採取したチャーガキノコは、まずノミなどで白樺の木の皮を取り除きます。

その後、刷毛を使って、細かい皮くずなどを取り綺麗にします。

綺麗になったチャーガキノコを、ノミと金槌で叩いて細かく砕きます。あまり大きすぎると鍋に入らず、乾燥する時間も長くなるため、握りこぶし程度の大きさまで砕いていくのです。

そして、数か月に渡って天日干しをして、しっかり乾燥させます。

最初の数日間は、新聞紙の上に砕いたチャーガキノコを敷いて乾かし、その後、干物用の網に入れてさらに数か月天日干しをします。

ここでしっかり乾燥させないと匂いやえぐみが残るため、乾燥は十分に行います。

乾燥し終えたチャーガキノコは、ホコリやごみなどを取り除いた後で、じっくり煮出します。

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煮出す時に使用する鍋は、色移りしないようにホーローやステンレス製の鍋を使います。

ゆっくり弱火から中火程度で時間をかけて煮出し、チャーガから濃口醤油に似た色の原液が染み出るまで煮出していきます。

成分の良いチャーガ原液は、黒い液体になります。

しっかり原液を煮出した後、チャーガキノコを鍋から出し、ろ紙などで濾して「チャーガ茶」の完成です。

チャーガ茶は、原液を煮出した回数によって一番ダシと二番ダシ以降に分かれます。

一番ダシは食用や飲料用とし、二番ダシ以降は肌に塗るなどのために利用します。

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一番ダシのチャーガ茶を飲む際は、麦茶くらいの色合いまで、水で薄めて飲みます。

匂いはなく、少しだけ甘い味がします。

原液をそのまま飲むだけでなく、チャーガ茶に豆乳、生姜のしぼり汁、シナモン、ハチミツなどを入れ温めて、チャイ風にしても美味しいです。

夏場などにはチャーガ茶を凍らせてかき氷を作り、練乳をかけて食べたりと、いろいろな方法で楽しめます。

九州地方では、チャーガ茶を利用して作られた芋焼酎もあるそうです。

猟師のオススメ!チャーガのちょっとした利用法

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チャーガ茶には美肌成分や殺菌成分も含まれているので、二番ダシのチャーガ茶をティッシュペーパーなどにひたして顔にパックをすると、肌の調子が良くなります。

かぶれた肌にパックをした人は、かゆみが治まったり、回復が早まったそうです。

また、風邪予防として濃い目のチャーガ茶をうがい薬代わりに利用する人もいます。

健康上の理由で塩分を抑えたい人の中には、飲料用チャーガ茶の原液を醤油に混ぜる人もいるようです。色が黒いチャーガ茶が目の錯覚で醤油に見え、違和感を感じさせません。

チャーガ茶自体に少し甘味があるので、塩分控えめでコクのあるチャーガ醤油になります。

チャーガ醤油の味が物足りないと感じる場合は、カツオ出汁や昆布ダシ粉を少し入れて混ぜるのもおすすめです。さらにコクが出て美味しくなります。

チャーガ茶をお水の代わりにして、普段の料理に積極的に使うのも良い使用方法です。

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チャーガ茶は、焼酎の割り物としても美味しく飲めます。

お酒をチャーガ茶を割って飲むと、悪酔いしないという猟師の知恵です。

煮出し終えたチャーガキノコも、そのまま捨てるのではなく、さまざまに利用できます。

植木鉢の中に入れておくと、土にカビが生えにくくなります。

また、浴槽に煮出し終えたチャーガキノコやチャーガ原液を少し入れると、入浴後のお肌がスベスベになります。

キッチンの三角コーナーにも煮出し終えたチャーガキノコを置いておくと、ぬめり防止になり、キッチンがいつも清潔に保てます。

このように、チャーガキノコの利用方法は多岐にわたります。

チャーガキノコを使った北海道料理

チャーガいも餅

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材料:

ジャガイモ200g

片栗粉30g

チャーガキノコ粉末大さじ1杯

バター少々

みたらしダレ(醤油・砂糖・ハチミツ少々・みりん少々・チャーガ茶で溶いた片栗粉)適量

作り方:

まず最初に、鍋でジャガイモを蒸かします。

蒸かしたジャガイモは、熱いうちにポテトマッシャーなどでつぶし、粗熱を取った後に片栗粉とチャーガキノコ粉末を加え、しっかりと混ぜます。

混ぜた生地を食べやすい大きさに丸めて、少し厚みがある程度に平らにします。(この状態で冷凍保存も可能です)

油をひいたフライパンにバターを加えて香り付けし、キツネ色になるまで焼いたら完成です。

生地を焼いている間に、みたらしダレを混ぜてフライパンで加熱してタレを作ります。

完成した芋餅にみたらしダレを掛けると、甘くて美味しいです。

チャーガキノコを入れることにより、食物繊維もたっぷり摂ることができ、美味しく食べながらダイエットができます。

行者ニンニク(アイヌネギ)の醤油漬け

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材料:

行者ニンニク(ない場合はニラ・ニンニクなど)

醤油

チャーガ茶

きざみ昆布少々

作り方:

行者ニンニクを一口大に刻み、きざみ昆布、醤油7・チャーガ茶3の割合で瓶に入れ、数日間漬け込んだら完成です。

出来上がった行者ニンニク(アイヌネギ)の醤油漬けは、普段の調味料としても使えます。

行者ニンニクも、血液サラサラ効果や疲労回復効果に優れた山菜なので、チャーガキノコとの相性はばっちりです。

豪雪うどん

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材料:

○うどんの材料

茹でて蒸かしたジャガイモ100g

小麦粉(薄力粉)100g

塩小さじ2杯

水で薄めたチャーガ茶130cc

○めんつゆの材料

水で薄めたチャーガ茶400cc

醤油大さじ3

みりん大さじ2

ハチミツ少々

和風だしの素小さじ2

○トッピング

キノコ類、刻みネギなど

作り方:

蒸かしたジャガイモをマッシャーでつぶし、小麦粉、塩を入れ、チャーガ茶を少しずつ加えてこねます。

ダマがなくなるほどこねたら、ひとまとめにし、袋にいれ40回程度踏みつぶします。

綺麗にまとまった生地を袋から取り出し、一度生地を丸めてから平たく綿棒で伸ばし、生地の表面に小麦粉を振るい、三つ折りにして食べやすい太さに切ります。

たっぷりのお湯に麺をゆで、麺が浮き上がってきたら、さらに5分茹でます。

茹で上がった麺を冷水で洗います。

うどんを茹でている間に麺つゆをつくります。

醤油、みりん、ハチミツ、チャーガ茶を鍋に入れ、沸騰させてから和風だしの素を加えます。

しいたけ、マイタケなどのキノコ類は食べやすい大きさに切り、軽く醤油で炒めます。

出来上がった麺つゆにうどんを加え、温めた丼に入れてからトッピングのキノコ炒めと刻みネギをのせて、豪雪うどんの完成です。

豪雪うどんは北海道倶知安町の郷土料理ですが、チャーガキノコを加えることでジャガイモの糖質がカットできます。

麺つゆにもチャーガキノコたっぷりなので、カロリーや塩分を控えめにして食べられます。

まとめ

今回は、北海道の猟師たちが活用している、チャーガキノコについてご紹介しました。

上記でご紹介した効能以外にも、チャーガ茶には、免疫力を高めてくれる作用やダイエット効果もあります。

皆さんもチャーガ茶を、健康と美容に役立ててみてはいかかでしょうか。

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ライター名 :深森螢

プロフィール:北海道在住。マタギの猟師の祖父を持ちジビエ料理などを作る元料理人。

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