万能キノコの副作用は摂取方法が原因かも
「カバノアナタケで下痢(げり)になる?」
「副作用は大丈夫?」
万能キノコとして知られるカバノアナタケですが、副作用が心配という方は多いでしょう。カバノアナタケを摂取して下痢をしてしまったという人の声もいくつか聞かれています。
もしかすると下痢の原因はカバノアナタケのせいではなく、カバノアナタケの摂取のしかたにあるかもしれません。
今回はカバノアナタケの副作用と、そのリスクについて解説します。
希少なカバノアナタケはまだまだ研究途上
ロシア、シベリアをはじめとする極寒の地に生息するカバノアナタケは、白樺(しらかば)の木に寄生するキノコです。
カバノアナタケは薬用キノコとして何十年も前から使用されています。
カバノアナタケを日常的に飲んでいたシベリア地方では、人々のがん発症率が驚くほど少なかったと記録されています。
カバノアナタケは、がん予防や抗炎症作用など多くの健康・美容効果を持つことで有名です。また痛みを軽減させるためにも使われることがあります。
一見するとカバノアナタケは万能キノコのように思えますが、あえて挙げるとすれば1つだけ弱点があります。それが、まだまだ研究される余地がある点です。
何十年も前からシベリアの民族に伝わる薬用キノコだったカバノアナタケが、世界で注目されはじめたのは比較的最近のことです。そのため、研究が開始されたのも最近のこと。
これまでにマウスを使った研究については多くの実験が行われ、カバノアナタケの安全性と優れた効果が実証されています。
カバノアナタケには豊富な食物繊維が含まれる
カバノアナタケには非常に良質な食物繊維が豊富に含まれています。特に水溶性食物繊維という便を柔らかくする食物繊維がたくさんあります。
そのため、便が固くなっているために起こる便秘に対しては大きな効果を発揮するでしょう。
しかし腸の動きが弱いために起きる便秘の場合は、便の量を増やすことが重要です。
そのためには便を柔らかくする水溶性食物繊維ではなく、大豆やイモなどに含まれる不溶性食物繊維のほうが必要になります。
腸の動きが弱いために起きる便秘症状の人がカバノアナタケを摂取した場合、摂取すべき食物繊維の違いによって、下痢になってしまうケースがあります。
カバノアナタケの摂取前には健康状態をチェックすることが重要
カバノアナタケはがんや生活習慣病などに大きな効果を発揮しますが、摂取前には医師に相談することをおすすめします。
特に薬を服用している方や、健康状態に問題を抱える方は医師に必ず相談してください。カバノアナタケを摂取することで、思わぬ副作用が生じる可能性があります。
カバノアナタケのポピュラーな摂取方法は、お茶として飲む方法です。シベリア地方の方々も昔から、カバノアナタケに熱湯を注いで飲んでいました。
実はカバノアナタケの重要な栄養成分は、非常に硬い物質でできた細胞壁で囲まれています。人間がそのまま食べても消化することができないので、この細胞壁を壊さないといけません。
熱湯を注ぐことによりカバノアナタケの細胞壁を壊して中の栄養成分を抽出することができます。カバノアナタケ茶は効率的なカバノアナタケ摂取の仕方というわけですね。
カバノアナタケ茶を飲むときに、絶対に守りたい注意点が1つあります。それは、短時間に多量摂取しないということ。
短時間にカバノアナタケを多量摂取すると、下痢や頭痛などを引き起こす原因になります。
カバノアナタケ茶摂取の目安は1日に2~3杯。短時間で多量に摂取しても効果が出るどころか、かえって悪影響が生じます。
カバノアナタケは毎日少しずつ摂取することが大切です。カバノアナタケ茶を飲んで下痢をしたという方は、短時間に多量摂取をしてしまったことが原因の可能性が高いです。
考えられる副作用
カバノアナタケを摂取することで起こり得る副作用は、下痢のほかにもいくつかあります。
ここからは、カバノアナタケ摂取で起こり得るリスクを紹介します。
出血のリスク
カバノアナタケを摂取すると、アスピリンやワルファリンなどの抗凝血薬(こうぎょうけつやく)の効果を悪い方向へ導く可能性があります。
市販されているアスピリンの効能は解熱鎮痛作用のみですが、心筋梗塞や脳梗塞予防のために処方されるアスピリンには、抗凝血作用が含まれています。
カバノアナタケにはベツリン酸やステロール、そして多糖類などが含まれています。それらの成分が抗凝血薬と作用すると、出血やあざが発症するリスクが高まります。
抗凝血作用のある薬を服用しているときは、医師と相談してからカバノアナタケを摂取するようにしましょう。
低血糖症のリスク
カバノアナタケはインスリンなどの薬と併用すると、悪影響を及ぼす可能性があります。
糖尿病の薬を服用している方がカバノアナタケを摂取した場合には、低血糖症のリスクが上がったり、血糖値が下がりすぎる可能性があります。
糖尿病の薬を服用している方は、カバノアナタケの摂取前に必ず医師と相談してください。
その他のリスク
カバノアナタケには、βグルカンという重要成分が豊富に含まれています。βグルカンは免疫力を高める作用があり、カバノアナタケが幻のキノコと呼ばれる理由でもあります。
βグルカンは免疫力を高めるだけではなく、過剰に作用した免疫力を抑える働きもあるのです。つまり、アトピーやアレルギー作用などを抑えることができるということです。
また、βグルカンにはがん細胞の増殖を抑える働きもあります。
がんを発症させるがん細胞が体の中にできると、免疫はそのがん細胞を退治しようとします。しかし免疫力が弱まっていると。免疫の働きが弱まり、がん細胞が増え続けてしまうのです。
免疫力を上げることで、日本人の2人に1人が罹患(りかん)すると言われているがん予防までできてしまうということです。
ちなみにβグルカンはレイシマッシュルームにも豊富に含まれています。しかしレイシマッシュルームのβグルカンは、乾燥、鼻血、かゆみ、胃腸不良の原因になるとも言われています。
しかしカバノアナタケとレイシマッシュルームに含まれるβグルカンが完全に同じものとは限りません。同じ副作用のリスクがあるかもしれませんし、全く違う可能性もあります。
現時点では大きな副作用の報告はありませんが、これから研究を続けることによって、人体への安全性を証明していくべき食物です。
まとめ
さまざまな健康・美容効果をもたらしてくれるカバノアナタケですが、人によっては摂取に気をつける必要もあります。
持病があり薬を常用している方はもちろん、健康に不安がある人はカバノアナタケ摂取前に医師に相談するようにしましょう。
また摂取の仕方にも注意してください。短時間で多量に摂取すると、下痢や頭痛などを引き起こす可能性があります。
カバノアナタケ茶の場合は1日2~3杯が目安。この目安を守りながら、カバノアナタケ茶を楽しんでください。
ニックネーム:おっくん
プロフィール:アルゼンチン移住生活中。ライター、英語・スペイン語の翻訳家として活動しています。本場のマテ茶にはまって以来、美容・健康茶に大はまり。
参考サイト
http://www.livestrong.com/article/403273-side-effects-of-the-chaga-mushroom/
http://chaganatural.com/can-chaga-make-sick/
http://feelgoodtime.net/what-are-benefits-and-side-effects-of-chaga-mushroom-tea-inonotus-obliquus/